61, Tha Wang Tan, Saraphi District, Chiang Mai, タイ
現役セラピストが「保存版」として使える実践知+理論。歴史/セン理論/技法/安全・禁忌/
タイ古式マッサージ(นวดไทย:Nuad Thai)は、全身を用いたリズミカルな圧迫と、関節・筋筋膜の伸展、ロッキング(揺らし)を組み合わせ、受け手の呼吸・自律神経・姿勢反射に働きかける全人的ボディワークです。2019年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、タイの生活文化と医療伝統に根差す知恵として国際的評価を得ています。
実際の現場では両者はしばしば融合し、施術目的により最適化されます。
CCAはチェンマイ式の美点—リズム、呼吸同調、伸展の芸術性—を柱に、臨床的安全性と再現性を両立する教育を提供しています。

ワイクルー(感謝と学びの祈り)に始まり、師資相承を重んじるのがタイ古式。ルーシーダットン(仙人の自己整体・呼吸法)は、施術者の身体づくり/観察力を育む基礎でもあります。北タイではOld Medicine Hospital(OMH)やITMなどがチェンマイ式の普及に大きく寄与しました。
CCAは、伝統への敬意と、現代的安全基準を両立し、祈り(意図)・呼吸・身体操作・教育メディア(テキスト×動画リンク)の統合、日本語でのサポートで学習効率を高めています。
セン(Sip Sen)は伝統医療で語られるエネルギーライン概念で、臨床では触診・圧痛・可動域と結びつけて評価・介入します。

代表的なセンの機能観(臨床目安):
センは現代解剖線と一致するものではありません。一方で、痛みの分節(デルマトーム/筋膜連鎖)や自律神経反応と重ねることで、施術仮説の立案に役立ちます。
チェンマイ式はゆっくり・深く・美しく。ロッキングで自律神経を整え、呼吸同調で受け手の内的運動(マイクロムーブ)を引き出します。側臥位を多用し、肩甲帯・股関節の分離と連動を引き出すのが得意です。
トークセンは木槌と杭(多くはタマリンド材)でリズミカルに叩き、深部へ穏やかな振動刺激を伝える北タイの補助療法。CCAでは禁忌・適応・強度管理を明確にし、現場で安全に使える形で指導します。

安全は技術に優先します。CCAのチェックリスト例:
マッサージ療法は腰痛・頸肩部痛などの短期的な症状軽減に有用とする研究が報告されています(質はまちまち)。トークセンも肩こり様症状の痛み・圧痛閾値の改善など短期効果の報告が出始めています。仮説:機械受容器刺激→脊髄—中枢の痛覚抑制や筋膜滑走・局所血流の改善など。
CCAでは「根拠があるところは根拠を」、「未確立な領域は安全第一」をモットーにリラクゼーションとしてのマッサージを教えます。
Q 痛いほうが効きますか?
A. いいえ。CCAではリラクゼーションとして心地よい痛み(快刺激)を上限に、0〜10の痛みスケールで6/10以下を目安にします。翌日の回復感・可動域の変化を重視します。
Q 施術はどのくらいの頻度が良いですか?
A. 不調が強い時は週1回×3〜4週、その後は2〜4週に1回のメンテナンスを推奨します。
Q チェンマイ式とバンコク式の違いは?
A. チェンマイ式はゆったり・ロッキング・ストレッチ・側臥位。バンコク式はセンへの明確な圧・テンポ良い進行が特徴。臨床では融合します。
Q 妊娠中でも受けられますか?
A. 安定期かつ主治医許可が前提。チェンマイ式は側臥位中心で安全度を高めます。初期は禁忌、後期は強い伸展や腹部圧迫は避けます。
Q 既往歴がある場合の注意点は?
A. 問診で状況を把握し、強度・体位・時間を調整。深部静脈血栓症疑い・急性炎症・術後直後・発熱は禁忌です。
Q トークセンの音が気になります。効果は?
A. コツコツ音は振動が深部へ届くサイン。筋膜滑走や知覚変調の補助を狙います。禁忌・適応・強度管理を徹底します。
Q もみ返し(好転反応)はありますか?
A. 強刺激・脱水・睡眠不足で出やすい傾向。段階的強度・水分補給・睡眠を推奨。48時間以上の持続や悪化は問題あり。
Q 体が硬い/ストレッチが苦手です。
A. ロッキングや面圧での前処置→呼気に合わせた漸増で実施。バウンスは禁止、痛みは6/10以下。
Q 施術前後の注意は?
A. 直後の激しい運動・長湯は避け、水分補給・軽い散歩・睡眠を。食事は60〜90分前に軽めが理想。
Q セン(Sip Sen)は神経や筋と同じですか?
A. いいえ。伝統概念です。評価ではセン仮説に触診・圧痛・可動域所見を重ねて臨床活用します。
Q 自主練のコツは?
A. 体重移動(軸)→面圧→終域伸展の順で練習。動画フィードバックを活用し、テキスト/復習動画で反復しましょう。
※伝統概念は現代医学の構造と必ずしも一致しません。臨床では安全第一で運用します。
ROMは「Range of Motion(レンジ・オブ・モーション)」の略で、関節可動域のことです。
その関節がどこまで動くかを角度や到達位置で評価します。
AROM(自動ROM):本人が自力で動かす可動域
PROM(他動ROM):施術者が力を加えて動かす可動域
AAROM(自動介助ROM):自力+介助で動かす
RROM(抵抗下ROM):抵抗をかけた状態での可動(主に筋力評価)

61, Tha Wang Tan, Saraphi District, Chiang Mai, タイ



















